国際言語としての英語
- English as an International Language -
現代における英語教授の議論の一つとして、「国際言語としての英語教授法」というのがあります。
英語は今や、異なった言語を母国語とする人同士のコミュニケーションの道具として世界中で使用されており、英語を母国語としないノンネイテブスピーカーの数は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語を母国語とするネイティブスピーカーの数の3倍と推定されています。
学校教育などで英語を勉強し、英語を第二言語として使用している人の数は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語を母国語としている人口をはるかに上回っているのが現状なわけです。
では、私たちが英語で会話をする相手というのは、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどからのネイティブスピーカーと、その他アジアや中東、ヨーロッパ諸国出身のノンネイティブスピーカーと、統計的にどちらが多くなるでしょう?
もちろん、総数ではるかに上回る、ノンネイティブスピーカーと言えるでしょう。私たちが英語で会話をする相手は、中国やインド、イタリアやフランス、エジプトやトルコ、その他近隣アジア諸国の人たちなどになる確率が非常に高いというわけです。
この点において、英語を学習するにあたり、アメリカ英語が良いのか、イギリス英語が良いのか、などという議論はあまり意味のある議論ではなくなります。そして、むしろ、いかに様々な国の人の話す英語の発音に慣れるかが1つの大きなポイントとなってきます。
また、ネイティブ特有の表現、などというものも、習得する必要は低くなってきます。それよりもむしろ、いかに自分たちがノンネイティブに分かりやすい英語を話せるようになるかがポイントとなってきます。
このように、英語を「国際言語」として捉えるか、それとも、「アメリカやイギリスなどの言語」と捉えるかで、学習の仕方も大きく変わってくるわけです。
これに関して、以下に講師の書いた小論文を添付しますので、興味のあるかたは是非一度目を通してみてくください。
【英検準1級 2021-3大問3 The Friends of Eddie Coyle 第2段落中文章 解説】
Even action scenes are depicted in dialogue, and where narration is necessary, Higgins writes sparingly, providing only as much information as is required for readers to follow the plot.
この文章では赤い部分の"where "と "as much .... as 動詞" の訳し方がポイントとなります。
以下に解説します。
◆ Where の5つの使い方
1. 関係副詞の限定用法
2. 関係副詞の非制限用法
3. 関係副詞の先行詞の省略
4. In the case という先行詞の省略
5. Where = while, whereas
………………………………………………………………………………………………………………………
1. 関係副詞の限定用法
I know the restaurant where my father ate dinner with my mother last night.
➡ whereの先行詞はthe restaurant
2. 関係副詞の非制限用法
I went to Germany, where I stayed for three weeks.
私はドイツに行き、そしてそこで私は3週間滞在した。
3. 関係副詞の先行詞の省略 (the placeという先行詞の省略)
I know where Tom is staying. ➡ I know the place where Tom is staying.
That’s where you’re mistaken. ➡ That’s the place where you’re mistaken.
We cannot enjoy wild flowers unless we observe them where they are growing.
➡ We cannot enjoy wild flowers unless we observe them at the place they are growing.
4. In the case という先行詞の省略 ◆この文章のwhereはこのパターンです!
関係副詞のwhere は場所以外にも「the case」を先行詞にとることができる。
副詞節を導いている場合、in the case という先行詞が省略されていると考える
Where (=In a case where) there’s a will, there’s a way. 〔proverb〕
意志のあるところ道あり ―― やる気があれば方法はある〔ことわざ〕)
→ 「~する場合に」という接続詞とも考えられる。
その他whereがとる先行詞の例
・situation(状況)・point(点)・circumstance (状況)・condition (状態、条件)
・environment (環境)・example (例)・context (文脈、背景、場面)
5. Where = while, whereas
ヨーロッパ人の礼儀作法は厳格で几帳面なのに対し、アメリカの礼儀作法は融通性があり大まかである。
疑似関係代名詞 asとthan
asやthanは関係代名詞として使う用法がある➡ 疑似代名詞
その場合、後ろが不完全文で動詞はbe動詞
We give as much information as is required. (必要な分だけ情報を提供します)
You must do more than is required. (要求された以上のことをしなければなりません)
◆ 疑似代名詞asの使い方
1. such … as
We collect only such information as is necessary. (私たちは必要な情報のみを収集します)
2. the same …. as
Nicole was wearing the same dress as my daughter was wearing.
(ニコールは私の娘が着ているのと同じドレスを着ていた)
3. as …. as
Take as much time as you like. (好きなだけ時間をかけてください)
We should spend as much money as is needed. (必要な分だけのお金を使うべきです)
➡ 前のasは副詞、後ろのasは関係詞として考える
4. 疑似代名詞asが非制限用法で用いられた場合
I had some difficulties, as was expected. 予想されたとおり、苦労しました
【文章の解説】
Even action scenes are depicted in dialogue, and where narration is necessary, Higgins writes sparingly, providing only as much information as is required for readers to follow the plot.
(1) and where narration is necessary ⇒ and in the case where narration is necessary と書き換え可能。 意味: そして、ナレーションが必要な場合
(2) only as much information as is required 意味: 要求される情報のみ
疑似関係代名詞として使うas
前のas は副詞、後ろのas は疑似関係代名詞と考えるので、
副詞は名詞を修飾しないので、「as + 形容詞 + 名詞」の語順でくることがほとんど。形容詞の意味は訳さなくてよい。
全訳
アクションシーンでさえ会話形式で描かれており、そしてナレーションが必要な場合、ヒギンズは控えめに書き、そしてそれは、読者がプロットを理解するために必要な情報だけを提供します。
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